文化
日本でも、古代から寄付の歴史があり、奈良時代の頃から、利水・治水や橋・道路建設などの公共事業のため、仏教僧が民間から寄付を集める勧進が行われていた。中世は自力救済の時代であったが、民衆の間に頼母子講などの相互扶助が始まった。これは集団で金銭を貯蓄し貧困者などに順番で供与するという、寄付と同様の機能を持った相互扶助であった。近世に入っても相互扶助の伝統は継承され、明治になり社会構造が大きく変わると、相互扶助に代わって寄付が盛んになっていった。第二次世界大戦以前は、皇室や財閥などによる寄付が寄付総額の30%にのぼるなど、福祉のかなりの部分を寄付が担っていたが、大戦後は福祉国家が理想とされるようになると、福祉は政府が責任を持つという意識が広がり、寄付の相対的地位は低下していった。それでも1995年の阪神・淡路大震災の際は、未曾有の災害状況に多数の義捐金が寄せられ、その結果日本における寄付総額が前年の2倍に増加した。2000年頃からは、ゆるやかな連帯による社会の再構築が日本各地で模索され始め、そうした運動を支えるNPOへの寄付が注目されるようになっている。